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Author:メイプル
森山直太朗さんの歌と曲、パンづくりと下町と大きな木の傍と海辺が好き。活動的だが「のんびり」した性格。


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朝日新聞の元編集員で、元コラムニストで、アフロヘアの
稲垣えみ子さん。3.11の原発事故をきっかけに照明も、炊飯器も、
冷蔵庫も、洗濯機も…と少しずつ電化製品を手放され、生活もシンプル
にされ、50歳になったのを機会に会社を退職。

社会的信用も高い大手の会社をなぜ退職し、組織を離れたことで
何が変わり、何に戸惑い、そして何を得たのか。実体験をもとに
ユニークに、そして分かり易くまとめられています。なるほど~と、
制度的なことでもとても勉強になり、人生に向き合う気持ちの上でも
学ぶことが多かったです。

高額の給与、会社の家賃補助付きで住めていた高級マンション、
〝散財〟してきたお買い物(退職より10年前くらいにすでにこちらは
やめられたようですが)、社会的信用…たくさんのものを失ったが
「私は幸せ」と言います。

守られた給与、高級な住宅はなくなったが、自由を手に入れ、家事
や大好きな料理をする時間が増え、ストレスがなくなったおかげで
健康への自信も湧いたそうです。「仕事」を再定義し、自身の〝仕事〟と
今は真摯に向き合われて、本も2冊出版されました。

幸せか、幸せでないか。これは人の数だけ価値観がある。
なんとなくの日々の安定を死守し、その他の煩わしさは見て見ぬ
ふりやのみ込む。きっとこんなことの方が大多数だろうけれど、あえて
自分の心にメスを入れて、その中にある〝大切なもの〟〝守りたい
もの〟に目を向けて、まっすぐ向かい合い、手を伸ばした。それをおもしろ
おかしく、〝名文家〟の腕でユーモアを交えながら執筆されています。

稲垣えみ子さんというジャーナリストに尊敬の念がつきません。
著書はおもしろかった。そして、退職日に執筆されたコラム『寂しさ
を抱きしめて』も素敵でした。きっとまだまだ面白い文章や刺激を
社会に与えてくれそうな気がします。そして、こういう正直で、損得で
物事を考えず、だけど自分をしっかり持ち、仕事に真摯に向き合う
方が報われる社会であってほしいと切に願います。
マクロビオティックの勉強をある程度した段階で
読むとしっくりくる一冊。日本CI協会会長で、オーサワ
ジャパンの前社長、勝又晴彦さんのご著書『“陰陽の考え方”
を身につけて直観力を高める』。

4月に長期間病気をしたことで、菜食中心の生活で
食事が偏ってしまったのだろうかと少し弱気になり始めた
ときに手に取った1冊。マクロビオティックの生き方が
わかりやすく本の中に散りばめられていて、やっぱり
続けていこうと気持ち新たにしました。

受け取った大きなメッセージは、
・身土不二:身(からだ)と土(環境)は不二(ばらばらでない)
・旬のものを食べるからこそ元気になれる
・身体を動かすことで陰陽バランスを整える
・複眼思考
・玄米を食べる
・陰陽バランスが整うと自律神経が正常に働く
・食べ物をよくかむ    
・自分自身で考え、(直観力を駆使しながら)判断する

などなど。

食事にこだわった生き方をされている、芸能人で
芸術家でボクサーの片岡鶴太郎さんとの対談も
面白かったです。

これからもマクロビオティックを続けていこうと思います。



この本がきっかけになり、作者の宮本輝氏と、
よしもとばなな氏の対談「二人の作家が語る 人生の
道しるべ
」(すばる 2013年4月号収録)が実現したといいます。
そのエピソードを知ってから、この本に興味を持ちました。
水のかたち』。

平凡な人生を歩んできた女性が、店を閉じることを決めた
近所のコーヒー店主から譲り受けた文机と茶碗。
それが思いもよらぬ価値ある骨董で…女性の人生が展開
していきます。小説的な展開ですが、そこには常に誠実さと、
心清らかに正直な生き方をする人々の良き連鎖があります。
これは作者・宮本輝氏が実際に体験したという「善き人たちの
つながりによって生じたとしか思えない幸福や興奮の連鎖」の
体験に基づいてつくられた物語といいます。

人生とはそういうものである。そう信じたい。そんな希望を
持たせてくれる1冊です。

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元読売巨人軍の投手で、引退後、横浜DeNaベースターズで打撃投手や
用具係など裏方を6年間務められた入来祐作さんのご著書。先日のソフトバンク3軍
コーチ就任の会見報道で、入来さんの引退後の日々を知り、感激しました。
     
入来氏の「決断」自分にはこれが一直線

     入力さん

巨人現役時代の入来さんを何度か仕事現場でお見かけしたことが
ありましたが、日ハムに移籍、米・メジャーへの挑戦など、その後の
ことは詳しくは知りませんでした。スター選手だった入来さんが、引退後、
裏方で6年間も働かれたということ、その裏方に喜びを見出し、
目標を持って業務をされていたこと、そして、そういう日々を経ての
ソフトバンク3軍コーチへの就任。本当に素晴らしいなぁと思います。

さっそく購入したご著書『用具係 入来祐作 ~僕には野球しかない~』。
入来さんの幼少期から現役時代、引退後の野球に対する思い、裏方としての
日々が綴られていました。野球に限らず、どんな仕事にも表舞台と
裏方の地味な作業と両方が存在します。自分が表にいても、裏方にいても
できることを前向きに精一杯やることの大切さを、入力さんの人生から
改めて教えていただきました。

ソフトバンクコーチとしてのご活躍、応援しています!

こんなCMにも出られていたんですね。

先日、実家に帰った際に昔のノートをめくっていたら、
10年くらい前に人に勧められた本『ガラクタ捨てれば自分が見える』
を走り書きしたメモがみつかりました。

昔、この本を読んで家の掃除をがんばったことがありました。
この本の存在は長らく忘れていましたが、掃除はいまも
好きで日ごろから極力家の中はきれいにし、時々思い
立ったように大掃除をしています。

この本では、「ガラクタを捨てることで新しいものが
入ってくるスペースを作りだす」「余計なもの(使わないもの)を
整理することで、自分にとって大切なもの、大切なことが
見えてくる」「気の流れをよくする」などの具体的な例や方法が
紹介されています。

     ダウンロード

改めて読みなおしてみると、頷くこと、勉強になること、励まされる
こと、たくさん記載されていました。そして家の大掃除をまた始めて
います。家がきれいになると、気持ちも気の流れもとてもよくなるのを
実感するので、年末までにすべての気になる場所を順次、片付け
ていこうと思います。ワクワクします。

ハーバード大学で教壇に立ち、人気教員としての
「ティーチング・アワード」なども受けられた北川智子さん
のご著書。高校時代のホームスティをきっかけに、カナダの
大学に進学し、米国の名門・アイビーリーグのプリンストン
大学で博士号を取得、ハーバードでの教壇を経て、現在の
英国での研究者としての生活までの過程における「気持ちの
持ち方」と「決断基準」についてまとめられています。

おもしろかったのは、努力するメンタリティ(気持ちの持ち方)
だけではなく、「できないことをどう受け入れるか、自分にできる
ほかのことでどうカバーするか」「(失敗を引きずらず)前に
進むための忘却力」についても言及されている点です。

北川さんご自身、カナダの大学にん進学される際のTOEFL試験、
米国の大学院に進学される際のGRE試験などで、何度も壁に
ぶつかりますが、「自分の長所を伸ばすことで、補う」というスタンスで、
毎回乗り越えていかれます。

また、「4:3法則での生活(週4日全力をつくし、3日は詰め込み過ぎず
リラックス)」やピアノやアイスホッケーなど自分が好きな趣味の時間も
大切にする息の抜き方も素敵だなぁと感銘しました。

「いつも『世界』という視点を忘れない」「目の前のことに全力を
尽くせば次のステージが見えてくる」「のんびり、のびのび、そして
いつもMAXの力を発揮する」など素敵な言葉もたくさんでてきました。

北川さんが出演されたTEDxSendaiの映像を発見したので
リンクつけてみます。

日本語


英語(オリジナル)
本田健さんの『未来は、えらべる!』(VOICE)を
読んで、ずっと不思議に思っていたことの答えが
見えてきました。

同じ地球上で生活していても会える人と会えない人が
いる。例えば、仮に同じ地域にいても、あまりに違う
「周波数」だと会うことはなくなるそうです。同じ地球に
いながら異なる世界で生きている人がいると。

会おうと言われてもタイミングが会わずに、何度も会う
チャンスを逃してしまう人。まったく予期も、約束もしていない
のに再会してしまう人。しばらくご無沙汰していたのに物理的にも、
気持ち的にも急に距離が近くなる人。不思議な偶然が身の回りでも
よく起きるのでずっと疑問に思っていましたが、この本を読んで
なんとなく原理がわかってきたように思います。

憧れ

新年の朝日新聞で、『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた
〈ウララ〉の日々』の著者・宇田智子さんが紹介されている記事を
読んで以来、ずっと心に残っていた本を購入しました。

   PAP_0340.jpg

宇田さんは神奈川県ご出身。東京大学卒業後、大手書店・
ジュンク堂書店に入社され、日本一大きな店舗・池袋店に
配属されます。

隣のブースでの企画展もわからないほどの「忙しさ」
に疑問を感じ、ご本人曰く「逃げるように」沖縄店への
転勤を希望されます。そこで出会った、地に根を張って、
ゆっくりと生きていく沖縄の方々の生活に魅せられ、
ジュンク堂を退職し、2011年秋に沖縄で古本屋を
始められます。広さは3畳ほど。

「収入は7割程度になったけれど、なんとか生活して
いける」日々とのことです。店を留守にするときには隣の
お漬物屋さんが店を見ておいてくれる、そんな温かい
人間関係の中、ご商売をされています。最近は「小さい
なりに幸せな社会」を実感し、考えられているそうです。

宇田さんの自分の気持ちに正直に、そして時間や人を
大切に重点を置こうとする生き方に強く共感し、彼女の
言葉、考え方にすがすがしさを覚えました。

私も自分の気持ちやペースを大切にし、いつかふんぎる
タイミング来たときに飛び立てるように、日々ベストを
尽くしたいと思います。

この本は、今年の自分にとってバイブル(憧れ)のような
1冊になりそうです。
Post-Conflict (紛争後)の国で、元兵士等の武装解除を
専門として働かれる瀬谷ルミ子さんのご著書『職業は武装解除』。

   武装解除2

武装解除のプロセス自体に興味があり、手に取った一冊
ですが、キャリアに関して非常に共鳴する文章が多数ありました。
私自身も漠然とながらも常々思っていたことが、がしっと言葉で
表現されていました。

…自分がどれだけ立派な肩書きを持っていても、現場の
人々の抱える目の前の問題を解決できなければ、紛争地では
何の価値もない…


…組織や役職は、交渉のときなどに、相手に与える印象を
多少左右する。それを利用する場合などに役立つこともあるだろう。
でも所属や肩書がないと自分が何者かわからなかったり、自信を
持てないというのは、自分自身が肩書きに負けているということだ。
転職しても、「元○○職員」だったり、過去の光栄を持ちだしたり
しないと自分の自信が保てない場合は、過去の自分に負けている
のだと思う…


瀬谷さんご自身、国連、政府、NGOと所属を変えられながら
経験を積み、専門を高めてこられた方のようですが、肩書がなにであれ、
「自分のできる最善を尽くす」「受けた案件で結果を残す」という一貫
したキャリアの形成は素敵だなぁと感じました。

本を読み終え、どこにいても肩書に甘んじず、過去の自分に甘えず、
そして肩書きでの付き合いではない「仲間」を増やそう。いまできる
ことにベストを尽くしていこうと、気持ち新たにしました。
福岡県に本社がある西日本新聞社が2003年から
連載特集されてきた「食卓の向こう側」。ブックレット
になって販売されており、目からうろこが落ちる
ような思いで、読み直しています。

食卓の向こう側

私たちの食卓に並ぶまでの食品がどうつくられ、
どう加工され、流通ルートにのせられているのか。
まさに「食卓の向こう側」をリポートしています。

卵をそのまま湯に入れるのではなく「見栄えが良い
よいように」と、黄身と白身を分けて筒にいれて、
それをカットしているコンビニ冷麺などについて
いるの茹で卵(どこも黄身の大きさが同じになります。
「ロングエッグ」と呼ばれているそうです)。

コンビニの破棄食品を豚の餌にしたら、急に奇形の
豚が生まれるようになったという農家の実話。

商社勤務時に、化学薬品がたっぷり使われた食品の
輸入を担当し、「自分の扱う商品は口にしないように」
と家族に言い続ける矛盾への葛藤の末、退職して
無添加食品の販売を始めた男性の人生。

食が乱れる中、おにぎりや漬物など自家製野菜、
米での郷土料理で家族をつなぐ、女性の話…。

いろいろな食にまつわるエピソードが紹介されており、
非常に興味深く読み直しました。

マクロビの勉強をはじめて、食の安全や食の大切さを
前以上に意識するようになりました。いろいろな
食品が出回る中、これからは「食品を選ぶ力(目)」
が必要だなぁと改めて思います。

そしてその食品を選ぶための(「安さ」基準ではなく、
「質」基準で選択できる)生活の少しの余裕もやはり
大切だなぁと思います。
北島康介さんの著書『前に進む力』。北京オリンピック後、
半年の休暇を経て、長年指導を受けてきたコーチのもとを離れて、
単身米国に渡ってからの日々、その過程で考えられたことが
まとめられています。

kitajima.jpg
(C) Kosuke Kitajima

アテネ、北京の金メダリストとしての輝かしい北島選手も非常に
素敵でしたが、その栄光の後の葛藤、自分のペースで進むと決断
された姿もそれに劣らず、非常にかっこいいです。

北島選手は前に進む力として、7つあげられています。
1.とことん素の自分と向き合う
2.進化のための変化を恐れない
3.やるべきことに優先順位をつける
4.体の声、心の声に耳を傾ける
5.プレッシャーを力に変える
6.頑張りすぎない勇気を持つ
7.それでも一人では戦えない


そしてこの詳細については次のように書かれています。

…進化するためには変化が必要だ。現状が変わることを
恐れていては、前に進むことはできない。時には思い切って
ゼロにすることで、今まで見えなかったものが見えてくる
こともある…


…僕は頑張り続けることで、自分の道を切り開いてきた。
頑張れば夢が叶う、努力すればもっと早く泳げる。そう
思って生きてきた。しかし、頑張らない半年が僕に新しい
道を与えてくれた。思い切って足を止めたことで、前に
進もうとする意志が湧いてきた…


…僕も含めて、人間はそんなに強い人物ではない。自分
一人の人生すら、背負うのが重く感じることがある。
そんな時、仲間に頼ることは決して甘えではない。そして
もしあなたが仲間に助けられ、ピンチを脱したなら、
次はあなたが仲間を助ける番だ。それが仲間だ。
仲間がいるからこそ、人は前に進んでいける…


「人」が「憂う」と書いて「優」という字になるように、
悩んで、もがいて、行きついた先というのは堅固な道のように
感じます。

発酵道

千葉県にある自然酒蔵・寺田本家の23代目当主、
寺田啓佐さんの著書『発酵道』(河出書房新書、1500円)。
複数の方に勧めていただいたので、読んでみたのですが、
酒造りから見える生き方論が記述されており、とても
おもしろい本でした。

図書館で借りていましたが、手元にも置いておきたいと
さっそく注文しました。

はっこうどう

「酒蔵の微生物が私に教えてくれたこと」として、
微生物たちは「自分が好き」で自分にとって心地良い
ことを選択する中で、よいお酒へと発酵していく話を
交えながら、「生命のおもむくまま、『自分にとって
最も快いことを選択していく』ことが、実は自分を生かす
最良の生き方なのではと思うのようになってきた。そんな
法則が実際にあるかもしれないと思えてならない
」と
綴られています。

また、微生物の世界では「俺が俺が」ではなく調和して
いくことで、おいしいお酒となっていくという話を紹介
しながら、「排除してうまくいったつもりでも、実は
うまくいっていないということだ。仲よくして初めて
うまくいくようになっているのが自然界の仕組みだ。
競争から共生へ、奪い合いから分かち合いの世界へと
大きく転換するときがきた
」と呼びかけられています。

利益重視で自分の商売に固執していたときは、会社が
倒産しかかったりと逆にうまくいかず、「おいしいお酒を
飲んでもらう」と考え方を変えたことで、ものごとがうまく
回るようになったという、寺田さんご自身の経験も
興味深いものです。

ここの酒蔵では、蔵人の方々が冬の寒い中でも毎朝、
歌をうたいながら、元気いっぱいにお酒をつくって
いくそうです。

料理も、食材も、味や見た目だけでなく、つくる過程や
つくる人の心持などもとても大切だなぁと最近つくづく
感じています。
イタリアの食や美術や映画などをテーマに執筆活動
される島村菜津さんのご著書「スローフードな人生!
イタリアの食卓から始まる
」。1986年にイタリアの
ピエモンテ州の小さな田舎町、ブラではじまった
スローフード運動を現地ルポを交えながら、楽しく、
詳しく紹介されています。

スローフード運動の発端は、1986年にイタリアでのマクドナルド
1号店オープンで起きた「ファーストフードへの反発」だった
ようですが、すぐにその枠を超えた大きな流れと発展して
いったようです。単一規格の大量生産に疑問を投げかけ、
良質で安全な食の大切を訴える一方、食事を楽しむ時間の
大切さや生き方にまで言及していくようになったそうです。

本の冒頭、現地でで出会った方の言葉を借りて、島村さんは
スローフードを以下のように紹介しています。

ひとつ、消えていきつつある郷土料理や質のよい食品を
守ること。ふたつ、質のよい素材を提供してくれる
小生産者を守ること。みっつ、子供たちを含めた消費者
全体に、味の教育を進めていくこと…。


そしてスローフード運動を推進する街で多くの方々から
生活を見せていただき、話を伺った後にこんな結論に
いたります。

大げさな言い方をすれば、スローフードとは、口から
入れる食べ物を通じて、自分と世界との関係をゆっくり
問い直すことにほかならない。自分と友、自分と家族、
自分と社会、自分と自然、自分と地球全体の関係を、
である。そうするうちに、私たちは、迷宮を飛び越え、
新たな世界を見出すことができるかもしれない。

その人が望みさえすれば、誰のもとにも食卓の奇跡は
訪れるだろう。会話のなかった子供に黙って手料理を
差し出す時、田舎へふらりとでかけて土の薫りをかぐ時、
自分で見つけたおいしい店で恋人とゆっくり夕食をする
時…。そして、そこから、人類の壮大な夢を託した
スローライフは始まる。



スローフード

この本を初めて手にしたとき、私は一日16時間前後働く
本当に多忙な毎日でした。「自分には無縁な世界
なんだろうなぁ…」と憧れの思いで、深夜、家に帰っては
寝付くまでの数分、天井を見ながら読んだものです。

それから、数年。当時は考えてもいなかった新しい生活が
スタートし、完全な「スローライフ」とまでは言い切れませんが、
それに少し近づいた生活になってきました。自身の変化も
振り返りながら、「望めば食卓の奇跡は訪れる」。
そんなことを感じる日々です。
代官山にあるてぬぐい専門店「かまわぬ」が出している
てぬぐいの使い方をあれこれ紹介する「かまわぬの
手ぬぐい使い方手帖」(1400円、河出書房新社)。

引っ越しをするときに、友達からてぬぐいと一緒に
プレゼントしてもらったのですが、時間があるときに
ぼーっと読んでいるととても楽しい気持ちになってきます。

手ぬぐい一枚が、お届けものの包みから、お酒包み、
エプロン、バック、スカーフまでその用途をあれこれと
変身させていきます。なんと550種類!もの利用途が紹介
されています。

てぬぐいは温かみのある日本の文化ですね。
そんなことを思い出させてくれる一冊でもあります。

        手ぬぐい

深い河

遠藤周作さん「深い河」を数年ぶりに
読み直しました。遠藤周作さんは一番好きな作家で、
「深い河」は中でも一番好きな作品です。

この作品は、遠藤周作さんが1996年に逝去される
3年前に執筆されたもので、遠藤文学の「集大成」
ともいわれています。病床での執筆で、一部口述
筆記されたものもあるそうです。

作品の舞台はインドのガンジス川。人生の酸いも
甘いも経験してきた中高年の男性や女性がたとり
ついたこの地(深い河)で、一つの答えを見つけます。
その中高年たちはもしかすると、遠藤周作さん
自身だったのかもしれません。

遠藤さんは、クリスチャン作家としてキリストを
題材とした文学を数多く執筆されてきました。しかし、
その一方で、ご自身の信仰は、幼少期の洗礼で、
「自分で自分の意思で選んでいない服(宗教)を
着続けること」へ葛藤し続けました。そんな遠藤さん
が最後に到達した宗教観、人生観が描かれている
ように感じます。

久しぶりの再読でしたが、物語の中で生き続ける、
遠藤周作さんの人の弱さも強さも認める「優しさ」に
今回も心癒されました。

私は5年後も、10年後も、20年後もこの本を節目、
節目で読み返しながら、生きていくんだろうなあと
思います。ストーリーはわかっていても、その時々で
感じることが少しずつ違うので、やはり本を読むのは
楽しいですね。

深い河は英訳もされており、過去に英語圏の友人らに
プレゼントしたことは幾度かありますが、自分では読んだ
ことがなかったので、次は英語版にも挑戦してみたいです。


tinmoku.jpg
(C)遠藤周作文学館
写真は、長崎市外海町の遠藤周文学館にある
「沈黙の碑」。石碑には「人間がこんなに哀しいのに
主よ海があまりに碧いのです」と刻まれています。
お天気の良い日にここから見える、海は本当に碧く輝き、
とてもきれいです。



劇作家で、劇団「第三舞台」主宰の鴻上尚史さん
2008年に出版された『人生に希望をくれる12の物語』
(講談社)。

鴻上尚史さんが2003年に読売新聞に寄稿された
P・ブルック著の「なにもない空間」という書評が
とても印象深かったため、それ以後、鴻上さんという方に
興味を持っています。

この本では、『アルジャーノンに花束を』や
『泣いた赤おに』や『人間失格』など、名作といわれる
文学を、鴻上さんの視点から論評し、作品を通して、
社会を、人生を語られています。

私も読んだことがある作品が多く紹介されていましたが、
鴻上さんの視点、人生を通すとこう映るのか、
と自己解釈と比較しながら読んでいけるのは
非常におもしろいです。

また、何十年も劇演出をされている方だけあり、
鴻上さんの批評を読むと、その文学がステージ上
にあるかのように目に浮かびます。おそらく鴻上さんが
その物語を読むときに小説を(自然と)立体化しており、
それが読者にも伝わってくるのではないでしょうか。

文章を立体化する。人生を立体化する――。
そんなことができるのは劇作家の積み重ねてきた
経験や才能があるからなのでしょうか。
うらやましいです。
『ジョイはきれいな水を飲む』(PARCO出版、1000円)。
もともとは、カリフォルニア在住のジャネット・ルース・
ジェンドラーさんが『The Book of Qualities』というタイトルで
出版された洋書です。それを、本づくりをする南風椎(はえ・しい)
さんが、ロッキー山脈を旅行中に偶然目にされ、日本語で翻訳出版されました。

「Pleasure(快楽)」や「Courage(勇気)」や「Anxiety(不安)」など
私たちの中にある感情の中から76を選んで、それぞれに人格を与えて
います。それぞれの物語が1~3ページずつくらい紹介されています。

その最終稿を飾るのが「Joy(喜び)」です。

著作権やスペースの関係ですべては紹介できないのですが、
ジョイはこんな人柄です。

ジョイはきれいな水を飲みます。
彼女は、
死んでいく人々のかたわらに付き添ってきましたし、
多くの誕生にも立ち会ってきました。
彼女は何も否定しません。人生を愛しています。
中でも太陽と雨と虹を愛しています。

・・・

ジョイはのびのびと生きていますが、
とても根気強い人です。
急いだり、あわてる必要は何もありません。
どんな道にも、障害物があることは知っています。
どんな瞬間でも、それは
完璧な瞬間であることを知っています。

・・・

私たちと歩きたいというジョイの願いは、
私たちが
彼女と一緒にいたいという憧れと同じくらい強いのです。


      ジョイ


私は昔、姉の本棚でこの本を見つけて、もう15年近くこの
本と一緒に生きてきました。何年間も開かなかった時期も
あるのですが、ときどき、思い出したようにこの本を読んでは
人生の素晴らしさと難しさ、優しく前向きでいることの大切さ
など、いろいろな学びがあります。

これからも「ジョイ」と生きていきたいと思います。


※この本は残念ながら廃刊となっているのですが、図書館で
借りることやアマゾンなどで中古購入はできそうです。
ご興味を持っていただける方、いらしたらぜひ読んでみてください。
お勧めの一冊です。
戦争の悲惨さや平和の大切さを訴える本で心に残る
ものは本当にたくさんありますが、元NHKプロデューサ、
東大作さんのご著書「我々はなぜ戦争をしたのか」も
渾身の力が込められたドキュメンタリーです。

この本は、ベトナム戦争で指揮をとった米国、
ベトナムの要人らが、終戦から20年以上を経た
1997年にベトナムで対面し、「なぜ戦争が回避
できなかったのか」を互いの当時の様子を振り
返りながら対話が軸となっています。その対話、
背景を振り返ったNHKスペシャルにに加筆された
ものが一冊の本として出版されています。

結論部分になってしまうのですが、この対話で、
ベトナム戦争当時に「アジアのスペシャリスト」
として判断材料を出していた人物が実はアジアの
ことをきちんと知らなかった。両国とも戦争を回避
するチャンスは何度もあったが、そのチャンスを
いかせなかったということが判明します。

ベトナム戦争に限らず、多くの戦争、紛争で、
このような小さなボタンの掛け違いや突き進んだ
判断が多くの死者や犠牲者を生んでいます。そして、
いまもそのようなことが続いているというのは
悲しい限りです。

このベトナム戦争から20年以上を経ての対話は、
今日の、そして未来の世代にとっても、大きな
教訓となることと思います。そして、その教訓が
英語やベトナム語だけではなく、日本語でも活字
メディアとして伝えられているというのは非常に
意義深いなあと感じます。


著者の東さんは、広島ご出身で、ご両親が広島で
被爆をされています。「我々はなぜ戦争をしたのか」
も含め、東さんがジャーナリストとしてつくられてきた
番組、ご著書には、平和への思いが込められており、
それがひしひしと伝わってきます。

東さんが2004年にNHKを退職され、平和構築の専門家に
なるためにカナダの大学院に留学された際に、元同僚の方が
ウエブサイトにあげられた激励のエッセイと写真
「曇天に咲く孤高のひまわり」には熱い思いが込められており、
東さんのまっすぐな人柄を物語るようです。

東さんの今後のご活躍、執筆に期待する一方、
私も平和のためにできることを少しでもしたいと、
気持ちを新たにしています。

   我々はなぜ戦争をしたのか
カナダ出身の大好きな友達の1人が帰国前に
「私の一番好きな本」とプレゼントしてくれました。

数々の素敵な児童文学、小説を生み出してきた英国人作家・
ロアルド・ダールの作品『マチルダ』です。

            マチルダ

この物語の主人公のマチルダは、本が大好きで、
正義感が強く、とても賢い女の子。悪徳な商売で
お金を稼ぐ父の姿に胸を痛め、小さいながらも、
最大限の正義で闘おうとします。

「社会ってこんなものだよね」とあきらめたり、見て
見ぬふりをしたりしない、まっすぐな生き方と、才能を
感じさせる賢さと、愛嬌あるキャラクターが魅力で、
この本に引き寄せられていきます。

私にこの本をくれた友達も実はそんな女の子(といっても
彼女は子どもではなく、既に素敵な大人の女性です)です。

そんな素敵な彼女の魅力と、本の魅力が合い重なり、
『マチルダ』がますます好きになりました。

ロダルド・ダールは、『チョコレート工場の秘密』の作者
としてもよく知られています。彼の児童文学は大人でも
ワクワクしながら読める、楽しさが散りばめられて
います。

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